通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

深呼吸の2020

発言が頻繁に飛び出す会議や質問が飛び交う記者会見、パネルディスカッション等々、人と人のコミュニケーションが頻繁に行き交う場における同時通訳は簡単とは言いませんが、スピードに遅れなければ通訳を職業にしている人なら誰でも慣れていきます。(もちろん慣れるのと上手いのとは悲しいかな、意味が違いますが)

 

多少分かりにくい、意味が分からない通訳になっても次から次へと通訳せねばならず、聞いている方も同じく次から次へと耳に入ってきますから、結果的にごまかしが利く。それとて通訳する方は一発勝負で、かつあくまでも他人の発言なので「これで伝わるか、伝われ」という真摯な祈るような気持ちで1, 2秒の世界で訳しています。

 

翻って簡単なようで難しいのが、練られた速くもないスピーチで、声量や速さを駆使してニュアンスが伝わってくる発言です。つまり一方向でオーディエンスに語りかけるタイプの発言を通訳する場合です。

 

速度が速くないために、アウトプットを考える時間があると思いきや内容が濃いので耳のアテンションが想像以上に取られます。速度が速くないために、自分のアウトプットもパパっとしゃべって次を待つという、オリジナルから逸脱しすぎた通訳もまた出来ません。元の空気感が伝わらないからです。その空気感を、情報をおとさず確実に出す。

 

こうした通訳を上手くなりたいです。

目指すのは少し崩れても分からないアクアパッツァではなく、美しい鯛の姿焼きです。

 

 

 

 

緊張していて頭が回転していないと気づいたら恐れずに深呼吸をすること。頭が働いていない時は呼吸が出来ていません。息を吐ききれずに、吸うのみだからです。息の底が浅いのです。底が浅いと声が高くなります。高くなってオリジナルが聞こえなくなって音量を上げます。上げるとそれに伴って自分の声のボリュームも増す。悪循環です。

 

 

焦って負のスパイラル入ったな、と思ったら、耳は集中しながら深呼吸をして通訳再開です。

 


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普段出来ない深呼吸をたくさんして過ごす年始でございます