通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

背景知識

通訳という仕事では、スピーカーが話すことに理解をして、共感をし、違う言語で話します。

 

通訳者は語学力が優れているから、外国語を聞けば一から何でも理解出来ると思う方がいらっしゃいますが、そうではありません。日本語でも知らないことについて聞いていても耳には入ってきますが、理解し共感できるレベルには落ちません。

 

背景を知っているからこそ、外国語での説明を聞いた際、その背景知識で補い聞きながら理解を深めることが出来る。その結果、いい通訳が出来る。ここで言ういい通訳とは、スピーカーがその言語が話せたらこう話すだろうな、がそのまま表れている通訳。そんな通訳を聞くと、私も頑張ろうという気持ちになります。それは言葉の変換に忙しい通訳でも、文書にある完璧な文章を読み上げる通訳でもありません。

 

背景知識のつけかたは様々です。人によって好みも違いますが、私の場合どんなことをして背景知識をつけるか書いてみました。

 

専門用語×キーワードでニュース検索

資料がある場合は、分からない専門用語を書き出して、その意味を調べます。そして関連するキーワードとその用語を入れてインターネット検索したり、ニュースを調べます。かなり普通なやり方ではありますが、キーワードの入れ方によって出てくる情報が異なりますので粘り強くチェックです。最新のその分野に関するニュースやブログが参考になります。もちろん、Wikipediaにもお世話になります。

 

著書があれば買って読む/Youtubeがあれば必ずチェック

本を書いている方であれば書籍での展開とほぼ主張する内容がかぶります。全く同じことを話さなくてもその方の考え方が自分の脳にも入れば通訳がとても楽になるので、読むことを強くお勧めします。大抵洋書になるのでお財布に痛いですが、このひと手間があったから命拾いしたこと、1回ではありません。。

 

Google Earthで国の地理関係を頭にいれる

google mapでもいいですが、対象の国、周辺地域を頭にいれることで話が見えやすくなります。そうした内容であればですが。通常、自国周辺地域が中心になった世界地図を私たちは見ています。日本の東方は太平洋、その先にはアメリカ地域です。でも例えばロシアという地理的視点で日本について語るとき、その方向感覚は通用しません。

 

実際に行って触れてみる

美術やスポーツ、展示されている技術、自分が担当するスピーカーが来日して講演しているなど、機会をとらえて仕事の前に実際に肌に、脳に染み込ませるのは大事です。直接目にすることで感じるものがあります。何よりも他人が話すことに共感をするのに情報が2Dのみである必要はありません。

 

と、背景知識が通訳を成功させるうえで大事だという話ですが、しっかりした語学力を磨き続けるのは大前提です。

 

通訳者は言語屋だから仕方ありません。

その道を追求することでしかバリューは上がりません。

様々な分野で通訳は出来ますが、トリビア人間になっても通訳者としてのバリューは上がりません。

背景知識量が増えても、虚心坦懐に外国語の文章を聞かずに、持っている知識を起点になんとなく単語単位で聞いてしまうと、当然ですが理解がずれていきます。

 

少し聞き取れなくても、知らない用語が出てきても間違った通訳にならないような確固たる語学力を常に磨きたいものです。