通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

困った顔をしない

訛りの比較的強いスピーカーに関しては、通常よりも多く集中力が必要になります。

 

集中力以外で必要になるのは、前向きな諦め、つまり自分の普段知っている音が聞こえてこなくても分からない、と思わないことが必要です。わからないもんはわからないのですが「わからない、どうしよう通訳どころではない」と思っている時間は、脳の考える力が吸い取られますからもったいないのです。それよりも聞こえてきた音から推測します。ここで集中力が鍵になります。聞きとれないと焦っている暇はありません。

 

推測するために必要になるのが事前リサーチです。トピックに身体を、頭を慣らしておくことが必要になります。準備運動です。

 

とても『A』の発音には聞こえなくても、格付けAAの企業だと知っていれば、doubleがなんとなく聞こえれば助かります。

 

本日の議論争点を担当者から聞いて推測をしておけば、耳のみに頼らなくて済みます。

 

 

 

大事なことは『え、聞き取れない』と困った顔をしないことです。訛りのある英語か否か位はクライアントも分かります。その部屋には聞き取れないと困ったときの為、と思って通訳者をお願いした人達が座っていて、通訳者は言語屋さんなわけですから、聞き取れないところからいかに成果物を出すか。いかに形をつけて出すか。

そこが大事です。

そこが通訳者の実力が出るところです。

 

音が問題なくとれて逐次通訳出来る場は通訳学校です。どれほど音が取りにくい現場に出くわすかどうかは、もう通訳者のもつ運です。