通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

リプロダクションの効能

リプロダクションは何度も聴いて完成させるのでなく、一度ですべて再生するつもりでやると効果がグンとあがると思います。

 

どんな文章がくるか分からないから一回流して聴いてみようとすると、一度で聞き取る緊張感がなくなります。でも逐次通訳の現場ではスピーカーは聞き直さない限り一度しか同じ文章は話しません。

 

本番と練習と同じ環境を作ることが大事です。自分を律することは大変ですが、本番で楽をした方がいいに決まってます。

 

 

 

リプロダクション練習をやり始めてしばらくして、1文が6、7割再生できるようであれば、2文に挑戦します。

2文も6、7割再生できるようであれば、3文に。

3文を6、7割で再生できるようになったら、その音声によりますが1段落。

1段落も6、7割再生できるようになったら、1.5段落。

1.5段落が、、2段落が、、と続きます。

 

そんな風にして少しずつ、1回に聞き取るゾ!という集中力を長くする練習をしていきます。

リプロダクションをやっていくと3文くらいを再生するようになったあたりから、途中で速すぎて音が取れなかったり、真ん中がポコッとど忘れしたりすることが出てきます。そういうときは、2文目が出てこなくても、3文目は出します。それらしいことを言ってつないで止まらずに3文目までたどり着きます。

それが大事です。

3文全体で何を言おうとしていたかを聴いていないと、それらしいことを言ってつなげられません。

英語の流れを止めないことが大事です。

このプロセスこそが、途中で少し分からなくてもボコッとかたまりを落とさずに聴くことを可能にします。

 

逐次通訳をしていて、スピーカーが速く、なまっていて、しかも、何のことを話しているのか意味がつながらないとき。 

 

そんなときもとりあえず、諦めてはいけません。リプロダクションで培った集中力と根気の出番です。

 

ノートを取り始めたけれどスピーカーが速く何の話をしているのか分からず、ノートを取るのをやめ、スピーカーが話し終わった後に今のは分かりませんでしたと宣言する強者も過去見たことがありますが、学校ではないので「通訳者です」と仕事に出ている限り、通訳することを途中で諦める、もしくは、フリーズすることは私たちの選択肢の中に用意されていません。どれほど相手が速かろうが、なまっていようが、自分の知識理解を超えた話をしていようが、スピーカーの代わりに違う言語で話すサービスを提供することに、一応なっています。

 

諦めたらゼロですが、苦しくても諦めずに耳と脳をフル回転させれば可能性はゼロではなくなります。

 

スピーカーに聞き直すにしても、「全くわかりませんでした」と言うより、『こういう話をしてたと理解しているけど、その理由のところをもう一度いいですか』という質問は建設的です。 

 

通訳学校では音声がしっかり聞き取れる良好な環境の中でどのくらいアウトプットできるか、実力が発揮出来るか、を見てもらえます。だから音声が速く、なまっていて、聞くだけでも苦労するものは多くないと思います。

 

が、現場では、どんな対戦相手が出てくるか分かりません。大変な相手が出てきてもいいように、自主練でリプロダクションをやるときは途中苦しくても聴き続ける集中力を培うことが自分の身を助けます。