通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

自戒のすすめ

異論を出して議論し、事物の心理を求めるのは、まるで逆風のなか船を進めるようなものだ。右に、左に、波に揺られ風に逆らい....目的地までの進み具合からすればわずか十、二十キロにすぎない。...そこで争われる説というのは、疑いの一点を原因として生まれてくるのだ。「疑うことに真理が多い」とは、以上のことを言ったのである。

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)

 

英語も同じです。

通訳も同じです。

こうでもない、ああでもない、と試行錯誤して進んでいくものです。あるCEOが言っていました、ベストな選択肢は一つではないと。

そしてその改善の努力というのは日進月歩です。しかも必ずしもやっただけ、やっている期間分実力に反映するとは限りません。

泣きたいほどです。

それでも通訳者である限り、自らの能力を切り貼りして売っているのですから、向上することが義務でありましょう。

 

 

この仕事をしたからある程度通用するんだ、

定期的にこの仕事をもらっているから自分の通訳で問題ないんだ、

とは死んでも思わない方がいいです。クライアントが抱いた「?マーク」をいちいちクレームという形で口に出していないだけです。

 

私を含め通訳者であれば必ず改善の余地が残されているからです。

死ぬまで私たち日本人はネイティブにはならないのですから、誰も完璧にはなりえないからです。

今日の通訳全体を平均したらまあ意味は通じる程度の話です。

そしてその意味が通じる程度もピンキリです。

改善の余地は人それぞれで、大小あります。

自分で気づいていないものもあれば、自分で認識できている注意点があります。

 

学校であれば別ですが、誰も注意してくれません。

学校でさえ、そんな面と向かって注意されれば、いつ立ち直れるか分からない程かもしれません。

逆に学校でなければ他人の英語力や通訳力を査定し他言するものではありません。自分のできないことを棚にあげて、という状況です。スポーツの世界であればレッドカードです。狭い業界で恥ずかしいことはしない方が得策です。

 

完璧な人は1人もいない業界です。

駆け出しピチピチ通訳者も中年通訳者も、ベテラン通訳者も、誰も完璧ではありません。

 

他人の振り見て我が振り、です。

自分に一番厳しく笛を吹けるレフェリーで行きましょう。