通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

逐次通訳をきっかけに思うこと

逐次通訳は同時通訳よりも全体通訳能力があらわになります。

同時通訳をやっていても通訳能力から単語力、理解力、構文力、様々なことが明らかになりますが、逐次通訳は理解力と表現力が大きく露呈されます。

時間的制約がないわけだし、どんな表現をしてもいい。

相手が話している間はノートを取ればよく、話さなくていいわけだから。

 

分かりにくければ通訳者の理解が甘いということ。

内容がなんとなくしか訳せていなければ、一部聞き取れていないということになる。

 

日本語から英語にするときは表現力で分かれる。

英語から日本語にするときは理解力が鍵を握る。つまりその前提で聞き取れていないといけない。100%聞き取れていても通訳が100%出せなければ90, 80になってしまう可能性もあるのだから、90, 80%しか聞き取れていなければアウトプットは必然70, 60%へと落ちる。

 

だからプロになっても、聞き取り能力を向上させる努力は必要ですよね。地道なことでしか向上しませんが。 

 

お金を頂いて通訳していれば、上手くてもそうでなくてもプロ。お金を頂いている以上は自分のアウトプットがその金額に見合っているか常に意識する必要があって。

 

正直自分の口から出ている通訳クオリティがレートに値するのか、つまりお客様が支払った額に見合っているのか『意識』することは大事です。実際には、はかれないので。月日を重ねただけではぶどう酒のようには熟成しません。

 

この事実だけ考えてみたら、他の職種と違って出来ることが大幅に変わることは通訳はあまりありません。自分の価格の上昇に見合うほど変わることがあるのかといえば特定業界の知識や単語が増える、慣れるくらいです。あとは通訳力です。これは日々のトレーニングやその人の持つ力の伸びしろに左右されます。

 

通訳者も一般人ですから生活があります。財布事情を気にしない方がおかしいですが、自分はいくらか気にする前に、自分の実力を真剣に見つめた方がクライアントのためになります。

 

リスニング力向上なり、単語力増強なり、通訳そのものなり、一つ一つゆっくりしか進まなくても、その努力は通訳者にとっては職務上の義務です。