通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

本番130キロで運転しないといけないなら、そもそもの常識を130キロにしておく。

同時通訳は常に1秒単位での時間との闘いです。

今の1.5秒で言うべき言葉がすぐに出てこないために、どんどん流されるということがあります。

 

同時通訳では瞬間的理解力と速さ対応力が重要なプレイヤーです。

 

同時通訳では意味が全部取れてから発話していたのでは情報が落ちるし、センテンスごとにアテンションを向けていると脳で取られるエネルギーが大きくなってしまって、次のセンテンスを処理できません。脳でのプロセス量が重たすぎます。

同時通訳では分かった部分から、つまり、言いたいことが理解できた括りでシンプルな文を作っていきます。ポンポン出すので脳に負担がかからずにもう一言語を聞いていられます。

 

シンプルな文をどんどん出していくので聞こえてきたアクセサリー(情報)を付け足すことも可能です。アクセサリーは出てきます、必ず。英語は「何がどうした」のボディーを先に出します。それに「いつでね」「こういうときにね」「こういう状況の時にね」と、前置詞や関係詞や句やらでつながっていきます。

 

瞬間的な理解力は、聴き返ししないでも分かる力です。もう一度読み直さなくても分かる力です。目を使って左から右へと読んでいけなければ、目よりも早い声についていくことはできないので、そういう意味でリーディングは大事です。ただ目だけでは自分に甘くなります。自分が読める速度でしか読みません。通訳は瞬間的な判断が必ずいる、速さへの対応が必要なのでスポーツ的なのです。そしてそれは耳に頼るしかない話なのです。耳で普段鍛えていなければ、本番で耳に大きな負担がかかります。(というか本番だけで出来るわけがなく。)