通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

自分の土俵へ、なるべく

ほとんどのフリーランスの通訳者に帰るところはないし、毎日おはようを言う同じ顔の同僚もいない

だからこそフリーなのだから

喜んで育ててくれる人も、プロジェクトの完成を共に喜ぶ人も、知恵出しにひざ詰めで話しあうことも、ない

 さっぱりしていてそれはそれでよかったりする

 

そんな環境にあるから、同じお客さまと重ねてお仕事をするのは不思議な感覚でもある

 

どこか懐かしいような、嬉しいような

 

どのお客さまでもやることは変わらないけれど

 

 

 

社内通訳者だった時代に仕えていたボスは私のことをShe is my voiceとクライアントに紹介していた

少し恥ずかしいようなボスとユニットを組んだような不思議な気持ちだった

 

ユニットを組む感覚は、しばらくの期間同じ人について通訳しない限り、フリーランス通訳者にはないと思う

 

 

フリーになってからユニットを組む感覚がなくても、心理的な距離を(勝手に)近いと感じることはある

 

 

先日何度かお世話になっている欧州金融機関のお仕事で久しぶりにお会いするCEOに近づいて挨拶をした

 

oh my dear! と唸って満面の笑みで近づいていらして日本人社員の方々の笑いに包まれた場面があった

 

 

和やかな雰囲気で始まっても、たとえば市場についての見解を聴衆の前で述べ始めたら、そんな雰囲気だったことは忘れるし、その瞬間、その発せられる言葉に集中している

 

 

だけど私はスピーカーとの心理的距離は近くて損はしないと思っている。スピーカーも同じ人間だから、心がある。心と心の距離は少しでも近い方が理解しやすい気がしているし、そうでなくても少なくとも、全くのアウェイではなくなる