通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

逐次通訳は簡単じゃないよ

どんな通訳業務も簡単ではありません。

それぞれの業務にそれぞれの難しさがあります。

 

 

フリーランスで仕事を始めると、始めは逐次通訳がほとんどですし、社内通訳の仕事であれば同時通訳案件だと時給が高いように書いてあることが多いため、逐次通訳は初心者がやるもので、難しくないと思われがちです。

 

 

しかし、逐次通訳は通訳者が一人で話すため、元の言語が理解できる人も出来ない人も黙って通訳を聞きます。間違った通訳をすればすぐに分かってしまいます。分かりにくい通訳をすれば同時通訳と違って時間がないわけではないから、スピーカーではなく通訳者の話し方が分かりにくいのだ、となります。特に大勢が参加する質疑応答ベースで進んでいく会議では、逐次通訳のクオリティーで会議の進行速度も、参加者の理解度も大きく変わります。

 

 

スピーカーが何を言おうとしているのか、その中身を捕まえる。中身をつかんだら、その中身を、見えている意味を、英語なり日本語なりで表現する。逐次通訳の鍵だと思います。

 

 

確かに通訳者でない方にしてみれば同時通訳は離れ業のような気がしますが、通訳者であれば逐次通訳の難しさ、大勢のアテンションが一気に一人に集まるこの重圧は分かると思います。

 

 

同時通訳においては、専門分野の話でよく分からなくても文に忠実に訳していけば、通訳者が同じくらいに理解していなくとも通じていることも少なくありません。私も何度もそういう経験を、社内通訳者の時も、フリーランスになってからもしました。 

しかし逐次通訳は同時通訳と違って、どれだけ専門分野であっても、ある程度ロジック、何を要は言っているのか理解し、話すときには緩急つけて話すことが求められます。逆に、理解していないと逐次通訳は出来ないかもしれません。意味が分からないことはリテンションが効きにくくなりますし、聞いている人たちが納得するような分かりやすい通訳をすることは、理解していないと出来ません。