通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

Taihen 24/7

社内通訳の仕事を2016年4月に始めた時は、ヒーヒーピーピー言っていました。

それ同時に来るか。。 - 通訳者Mのブログ

これを読むとヒーヒーっぷりがよくわかります。

笑ってしまいますね

当時の自分に「とりあえず落ち着け」と言いたくなります

 

その時にコーチからコメントを頂きました。

 どこに目線を置くかで見える風景は違う。今の現場は単なる通過点でしかない

 

この時は、『そうは言っても大変なことには変わらないのに!泣』

くらにしか思いませんでした。

事実、大変でしたしね。

何が大変かって、教室から一歩出て、間違った訳をしてビジネスに携われば、血が飛びます。

教室では間違えようが、

黙ろうが、

『えー』と言おうが、

『すいません聞けませんでした、もう一回お願いします』と言おうが、

講師は呆れますが、誰も困りませんし、血は流れません。

 

しかし仕事となればまさに、真剣の勝負です。

真の剣でバサバサ訳していくのですから、間違えたら切れます。血が出ます。

そんな真剣な世界で食べていこうとしている自分が最初は信じられませんでした。 

だから大変だったんでしょう。

今振り返っても、当時通訳学校のクラスで訓練している内容の方がよほど難しく、レベルは高く、速いものでした。現場で大変なのは、真剣勝負に常に身をおかないといけないからです。

 

 

 

つい先日、ブースに入って目の前にエージェント幹部の方々がいる中で通訳する機会に恵まれました。終わってからこのコメントを急に思い出しました。今ならあのコメントはよくわかる、と。同じに『大変』と思っている自分がいても、この世に存在する通訳の仕事難易度メーターMAX100だとしたら、昨年4月の『大変』はたぶん5くらいでしょう。昨年分からなかった世界観です。

 

昨年の春は、この2016年4月なう、が一番キツイ、難しいと思っていました。全くそんなことはありませんでした。フリーランスとして稼働し始めて、毎回現場に足を運ぶたびに『大変』と思います。当たり前です。責任が伴いますから。

 

毎回『大変』と思っているので、『大変』が当たり前になってきました。

だいじなのは『大変』をどうエネルギー変換するか、です。

『大変』に押しつぶされていては、良い通訳者になれないと、コーチとそれから、社内通訳の時代を含めて私を雇ってくださったお客様に教わってきました。

 

2016年4月からだいぶ月日が経って、見える景色は確かに変わりました。先日ブースに入ったときの『大変』はたぶん40くらいだと思います。『大変』ではなかったのではなくて、肌感覚として「これはまだまだ(そんなに難易度メーター)いかないんだろう」でした。

 

同じ『大変』が続いているように思えても、質の違う『大変』が来ます。

そこがプラトーから上がれる瞬間です。

勝手には上がりません。

悔しかったり、もっとやらなきゃいかんという焦燥感だったり、もっとうまくなりたいという欲望だったりが、私を前に突き動かします。

やる気だけでは足りません。

実際によく考えて、脳、口、耳、手を総動員してどうにか進むのです。

そして次の踊り場に上がれるのです。

そうすることで新たな『大変』が乗り越えられるんだと勝手に信じています。

 

 

これほど『大変』にさらされてそれを仕事に出来るというのは、

なんともスリリングで、ありがたい話だと思っています。