通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

本物にふれよう

バーチャルはリアルだ と書きました。

日経に載っていて経済界で働く誰でも知っているような経済・政治・投資ネタを日本語、英語それぞれ表現しなければいけない時を想定していました。

 通訳者として市場で稼働している限り、経済界の人たちが日常読み書き、話していることをどちらの言語でも表せるように努力する、常に日英のアンテナを張っておくことで、いざという時に自分を助けると思いました。

 

 

今日気づいたことがあります。

なじみのない業界の話題で、イチから勉強しないといけない通訳業務でも、『バーチャルはそのままリアルだ』は当てはまる、と。

 

 

教科書で勉強した後でリアルな世界にさらされると、

モノクロで2D でしか見えなかったものに、

色がついて、高さ、奥行きが出てきます。

『バーチャルでやったことは、そのまま、やはりリアル』なのです。

 

 

ずっとテレビや百科事典、世界史の教科書で見てきたモナリザ肖像画を、パリのルーブル美術館で見た時のあの、感覚です。

あ、あれだ!という感覚です。

ずっと前から見ていたような感覚です。

でも世界史の教科書で止まっていた私のモナリザに、3D情報が加わります。

...

モナリザはガラスの巨大なケースに覆われている。

モナリザを観たくても人の頭しか見えない、常に人々の関心をそれだけ惹きつけているんだな。

モナリザは意外と小さいんだ ...

 

そして私の知るモナリザは立体化します。

 

 

 

新しい分野における通訳はそんな感じがしました。

これは私にとって大きな発見でした。

今まで聴いたこともない全くなじみのない分野を通訳したことはありませんでした。 

今回は一つの用語を調べても、その説明文も意味が分からず、説明文に使われた用語を今度は調べて、と、途方に暮れました。

それでもしばらく用語を調べて、当てはまる英語を探し出し、単語リストを作って理解を深めていくと、だんだん脳の反応が速くなります。dog と聞いて「たしか犬だったな」に行き着くまでが、速くなります。

そして実際にビジネスの場に飛び込んで、2Dで勉強したことを目の前の白人が話している、日本人が話していることを聴くと、もっと脳の反応は速くなります。

 

こうして少しでもその「なじみのない」話題にさらされておくと、次回の為に同じに勉強しても吸収度は相当違うと思います。

 

こうして通訳する分野を広げるのか、と通訳業界を初めて見た気がしました。