山手線へのエスカレーターをおります
ホームには電車が到着しました
突然前の人が止まります
エスカレーターで歩こうと思っていた人たちは右左に顔を出します
環状七号線を等間隔で時速55キロで車が走ります
あれ、曲がるところはここだっけな、と急ブレーキを踏みます
その車線の流れはせき止められます
朝の新宿で切れた定期券で改札を通ります
その改札を通れると思って早足で歩いてきた通勤者がどどどっとせき止められます
これでイケると思って文章を作り、通訳し始めます
あ、思うように文章がつながらなそうだ、どうしようか、と止まります
聴いている人はそんな大変なことを訳そうとしているのかと不安になります
日常生活では流れが止まることはしょっちゅうあります
自分の中では、流れを止めないことです
流れを止められた感覚になってはいけない
流れを止めずに、その流れに、のる
ハイハイハイあるね、そういうこともあるね、とかわすのです
かわすというのは、なかったことにするのとは違って
流れが止まるのを感じても、なにも起きなかったかのように自分の中では流れを0.1秒後には再開することです
こんぺいとうの踊りのように、右足を踏み出したら回転する流れになります
回転したあとはまた右足を前に出すのです