通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

I tell you as the time is ripe

ブログのアクセス先を見ていてアクセス数が最近多いなと思うこの記事。

leogirl.hatenablog.com

そしてこの記事に伴って思い入れがあるこの記事。

leogirl.hatenablog.com

 

昨年3月です。社内通訳を始めたばかりの記事。

当時は当時で真剣にこの記事を書いていたんでしょうけど

今と全く感覚が違うんだということが読んでいると自分が一番わかります。

 

 

ブログの良い点は、こうして思ったことを書き留めておいて、様々なデータと共に記憶がフラッシュバックすることです。

こういうときに初めて、自分がどのくらい進んできたかが分かります。

少しずつしか成長はしないしと普段は思っていますが、静かに励みになります。

 

 

2つ目の記事にはコメントを頂いていて『単なる通過点でしかない』と。

当時は違う次元から降ってくるこのコメントの本当の意味は理解出来ていませんでした。

 

 

 

 

今この二つの記事を読み返して思うことは、

当時自分がビクビクしていたことはそのまま、まさに私が通訳することの醍醐味だと、楽しみだと感じていること。

 

引用1)企業にもぐり込むといきなりプロの会話の嵐に放り込まれる

 

引用2)用語や数字の大きさは企業の決算説明会に出てくるようなことが話され、速さは官房長官記者会見の記者が質問する速さとほぼ同じ

 

引用3)誰よりも話を集中して聞いていないとストーリーを失います

  

これだから、通訳業は楽しいんだよ、と当時の自分に言いたいですが、

時機が熟さないと分からないこともあるのだと思います。

 

 

一つ目に関しては、企業に出向けばそこの常識用語が存在するわけで、皆さんその道のプロですから自分の理解力が追い付かないこともあるわけです。それでも言葉を追いかけて、休憩時間に質問をして理解を深め、だんだん肌に馴染んでくる。馴染んだころにサヨナラするのが通訳業の惜しいところではありますが。

 

 

二つ目、官も民も、真剣勝負です。人が真剣に話せば速くなり、なじみのないことが語られればこちらの処理能力が追い付かないこともあります。が、彼らが語る数字や、副詞、形容詞は重要なのです。ここは、力量を試されます。何となく訳すのではいけないのです。

 

三つ目、これほどにも、人間は人の話を聞いていない生き物なのかということは、通訳者になろうと真剣に考えたことがあれば、行き当たる驚くべき真実です。一度で人の話を聞き取るというのはこれほどまで大変なのか、と。

 

 

例えば、諸君が野原を歩いていて一輪の美しい花の咲いているのを見たとする。見るとそれは、菫の花だと解る。なんだ、菫の花か、と思った瞬間に、諸君はもう花の形も色も見るのを止めるでしょう

小林秀雄『美を求める心』