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通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

電話会議の通訳を毎回、と想定して。

今日考えたことがあります。

 

強靭なリスニング力をつけなくてはいかん、と改めて思いました。

強靭な、というのは

電話会議であっても筋を取れる、

つまり多少音が濁ってもがちっと理解できるリスニング力です。

 

今日は各国オフィスが実績報告、会計年度末までの見通しを語り質疑応答が入るセッションでした。計4時間の電話会議だったため、あらかじめ全部を通訳することは難しいと伝え、polycom(電話会議をするための機器)から聞こえてくる英語は訳すことに。あらかじめ発表する資料(コンサル業界ではdeckと言います)は頂いていましたが、通訳をやったことがある方はご存知だと思いますが質疑応答は完全にその場勝負です。polycomの向こう側から聞こえてくるネイティブの話すスピードはかなり速いのはもちろんですが(通訳者がいることを知らされてません)それ以上にやはり電話会議の為かなり聞き取りにくいのです。

 

しかし通訳しなくてはいけません。

 

みんな聞いている人は顔をゆがめ、『何て言ってんだ。。?聞きずらいなあ』という感じ。でもそんな時のための通訳者!キラキラ、と。。。いや私も聞き取れなくて、とは言えません。言っちゃいけません。そんなことであれば通訳者だと名乗る資格はない、と思ってます。多少英語が周りより分かる、社員レベル止まりです。

 

 

そこで帰宅しBBCやCNNを聞いたら比べ物にならないほどハッキリ全部聞こえてくる。授業で扱った決算説明会が分かりやすく天国のよう。

 

この音声のクオリティーを毎回スピーカーから期待していることがまず間違ってるんですよね。通訳の仕事では毎回耳に直接授業の時のような声が入ってくる、という淡い期待は金輪際やめよう、と今日本当に心の底から思いました。

 

耳から入ってくる英語が100でも通訳として口に出す時には80に減ることがある。つまり、入り口がすでに80だと60しか伝わらない。通訳者は100聞けないといけない、と昔授業で言われました。通訳者は100聞き取れるだろう、と周りは期待しますからね。出来る限り100を聞けるように努力することは当たり前の話。

 

そして不思議とあれだけ曇った電話会議を体験してくると、初見のニュースのシャドーイングがとてもやりやすく感じます。でもこれで通常の日本語の世界に戻ると、そのニュースがとても速く感じるんだろうなあ。

 

普段どのレベルを『ふつう』として訓練するか、常に考えないといけません。重りをつけて泳ぐのが当たり前になった水泳選手は、何もつけていない時信じられないくらい身体が軽く感じるし、高山で訓練する陸上選手しかり。

 

自分の『ふつう』レベルをあげないと、ね。