通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

通訳

高い質を目指す

同時通訳において話された言葉から話す言葉にどう転換させるか、一種のアート、芸術です。その人のクリエイティビティが出るからです。全員が同じ訳し方をするわけではないし、しなくて良い。クリエイティビティと言っても話された言葉に対する理解度、これ…

足元を見て歩かない

天下統一に手が届きそうだった織田信長の頭にあって、戦国時代最強の軍神上杉謙信になかったものは目標(一般方向)であり、そのための戦略だそうです。 勝率はとにかく高かった上杉謙信も、一般方向、目標については関心なし。 ビスマルクもこの一般方向につ…

スムーズな通訳のために

通訳はスピーカーがいなければ機能しません。スピーカーに依存していると同時に、時にはスピーカーに苦しめられます。依存しているのに、制約も同時にかけられるからです。勝手なことは言えないから待たなければいけないのに、決められた時間内に話さなけれ…

マイクの向こうに存在するオーディエンスを意識しよう

昨年は安倍首相が年末年始に読む書籍が複数明らかになっていました。私も、と信長の原理を2019年頭に読みました。中国メディアがそれら書籍の著者が左派とか右派だとか騒いだ為か今年は発表されなかったように思います。 ということで今年は官房長官が読んで…

英語は空気の言語

深呼吸が大事だという記事を書きましたら、その週末に深呼吸特集がFT編集の雑誌How To Spend Itに載っていました。80%程度の人は深呼吸を行えていないそうです。深呼吸が出来ると、声に膨らみが出ますし、落ち着くので自分の世界にのめりこまずに客観的に自…

深呼吸の2020

発言が頻繁に飛び出す会議や質問が飛び交う記者会見、パネルディスカッション等々、人と人のコミュニケーションが頻繁に行き交う場における同時通訳は簡単とは言いませんが、スピードに遅れなければ通訳を職業にしている人なら誰でも慣れていきます。(もち…

does it make sense?

通訳とは元の発言と同じ内容のことを違う言語で話すことですよね。 だから日本語から英語に、 英語から日本語に、 文字の通りに訳して安心して、何も考えなくなってはいけないと思います。 文法的に間違った文章でなくても、そんな言い方は英語でしないだろ…

カーブを見越して

上手いなぁと思う方がいたらなぜそう思うのか分析して参考にしていくと路が繋がりますよね。 ご一緒したことはないしお顔も拝見したことがないのですがこんな風に通訳したいなあ、と思う方がいます。 息継ぎのタイミングが文と一致していて、落ち着いていて…

理解までのスピードが勝負

通訳は考えながら回を重ねれば重ねるほど、考えること、感じることが多くなる気がします。まるで生き物です。生きている言葉を生きている通訳者の言葉が引き継ぐんだから、本当に生きているのかもしれません。 英日同時通訳は基本的に待てません。左から右が…

英語の理解は左から右へ

日本語は音節が英語より多いため、同時通訳では同じ情報量を出すとすると多く話すことになります。 それに日本語と英語は語順が異なるため、同じ文章構成ではアウトプット出来ません。しかるべきところで句読点をうっていかないと、英語を左から右にしか理解…

お客様に届いて初めて通訳

通訳は必要悪だとわたしは思っていて、なくて済むなら通訳なんて介さずに直接人間同士会話をしたほうがいいと思っています。 流暢じゃなくても身ぶり手ぶりをつけて話している本人からの言葉はインパクトがあります。それは一人一人がもつオーラがあって、色…

分かり合いたいのが人間だから

お誘いを受けて世界のお巡りさんコンサートに行ってきました。 お巡りさんとは、そう警察です。 今年で24回目だそうですが、各国都市で開かれていて2019年は東京がホスト国。 ニューヨーク警察始め4カ国が参加でした。途中何度も感動して目頭が熱くなりまし…

まだ始まったばっか。

久しぶりに京都に足をのばしました。仕事後に新幹線に飛び乗り、温泉、京料理を楽しみ朝6時に清水寺を拝観させて頂き翌日午前中には都内にいるという強行スケジュールでしたが十分堪能させていただきました。 広い空を仰ぎ見るのは自律神経に良いそうで、気…

in the final furlong to the path that leads to where everything began 6/6

さて、これまでの振り返り最終章です。 2016年3月から2017年3月まで、コンサル企業にお世話になりました。2017年4月からフリーランスになります。 社内通訳は、通訳者をしていて唯一仕事をしながら成長させてもらえるポジションです。 フリーランスになった…

ニュアンスを正しく。

英語も日本語もネイティブが話す形に出来るだけ近づけたいと常々思っています。分かりやすく、ストレスなく聞ける通訳をしたいという私の勝手なパッションですが。 日本人通訳者が聞いていて、通訳されている英語を聞いて理解出来るのと、英語スピーカーが聞…

分からないを放置しない

学者先生たちが集まる会議は相当準備が必要になる。その分野において歩く辞書であり、その分野の先も考え、国の方針にさえ影響を与えうるのだから何を言い出すか分からない。中核情報はもちろん、周辺知識まで全ておさえる覚悟での準備が必要になる。 それと…

just be professional

自分は経験が浅いから、業務を始めて間もないから、と前置きをするタクシードライバーに出逢うことがある。乗客としては目的地に到着すれば別に構わないし、特別困ることもない。 ただ走り始めてしばらくして思うのは、 言う必要あるだろうか? ベテランです…

バランス 

通訳者でいて一番もどかしさを感じるのは、バランスです。 仕事のための背景や用語の勉強と、通訳単体のトレーニングのバランス。 以前も記事にしましたが、通訳者として働いていても腕が上がるわけではありません。試合出場回数が多ければ多いほど腕がある…

2015年春から2016年春強化合宿 5/6

師匠に再会した2015年春から2016年3月の1年間、『死ぬほど勉強したって時期があってもいいだろう』という言葉の通り、通訳トレーニングというより、1年間強化合宿に行っていた感覚に近いです。 同時通訳を始めたのも2015年春でした。 初めてイヤホンをつけた…

アイドリングストップの本科Ⅰと師匠との再会 4/6

2013年秋、本科Ⅰにあがります。 実際に通訳することが多くなり、扱うトピックも政治経済で下調べをしていないと聞きとれても何のことを言っているのか分からない、ということが増えました。 以前もこのブログで書きましたが、この頃から英会話講師の仕事が本…

常にフレッシュな角度で攻めよう

日本語でも飽きられる同じ単語の繰り返し。 通訳は一方の言語を聞きながら、違う言語に切り替えて話しているわけなので、アウトプットのバラエティをつけるのは余計に難しいです。 ただその加減もあります。 ネイティブであれば絶対に繰り返さない訳ではない…

初めての通訳コース入り 3/6

2013年春、英検を取り終わる頃には通訳準備科へ進級と言い渡されていました。 いまでも覚えていますが初めてのクラスは2人きり。通訳になる気はさらさらない頃です。当たり前ですが通訳コースなので、通訳の基本になるノートの取り方からよく使われるフレー…

フリーランスの世界

社内通訳をやめてフリーランスになったら冷たい世界なのかもしれないと構えていました。こんな内輪で喜ぶこともないし、毎日会って声をかけてくれる人もいない、とにかく通訳をして帰ってくるだけ、と。 情けが入らないパフォーマンスベースの世界という意味…

通訳学校をどう選んだか1/6

通訳者になった今の話ばかりでは勉強中の私だったら退屈すると思うので通訳学校当時にどんなことをやっていたか振り返りたいと思います。これまでのブログ記事ですでにどんな経緯で通訳者になろうと思ったかを書いてきました。このブログでのアクセス数が一…

下調べ

実際に通訳をしていてつまずきやすいところは、端的に説明されている資料に現れている単語ではなくて、そのトピックに関する周辺の単語です。 これあまりよく知らないなと思ったら少し調べておく。そうすると質問でツッコまれた時に言葉を尽くして説明するで…

deliberate practice

ぼーっとしようという記事それに続く密度の濃い練習をを書きましたが少し誤解を招きやすい書き方をしたので、もう一度パフォーマンス向上について書きます。 端的に言うと、パフォーマンス向上にはdeliberate practiceとdeliberate restが必要。 deliberate …

密度の濃い練習を

出張は遊びではないとはいえ、それなりにフリーの時間があって、東京での繰り返す慌ただしい日々から解放され、いつもの路から外れて、新鮮な感覚になります。 東京なのにこんなに空が広くて、空気がいつもよりたくさん肺に入るような場所。搭乗フロアから搭…

ぼーっとしよう

今この本を読んでどう休むべきか、少しでもパフォーマンスを上げるために研究中です。Financial Timesでも何度か(それ自体注目されているということだとおもいます)取り上げられていました。 Subscribe to read | Financial Times 通訳を生業にしていると、…

抜かりなく準備を

インターネットがない時代に通訳者をやってみてないので比較はできませんが、今は準備に何でも出来ますね。今日のお仕事でも特に感じました。 クライアントが話す背景や、周辺知識、何を思って語るだろうかということはいまや簡単に調べられます。突然突拍子…

..exquisite.

美しく勝たなければいけない... 仕事中に聞いた言葉です。 スポーツも通訳も同じだと思います。 高いレベルの選手の志というものは、この試合で勝つか負けるか、ではなく 勝つことを前提としたどう美しく勝つかに集中しているものだと知るきっかけになりまし…