通訳者Mのブログ

通訳と、人生と。

先生は引退するまで必要

通訳学校に通っているときは、クラスに出て知らないことを教わって、色々とヒントをも頂いて、コメント頂いて『なるほどー!』で、済んでいました。

 

学校に通わなくなって先生と呼べる人がいない生活になったら、自分が先生役をやるしかありません。

 

何を言っているかというとムチ打つ役も、頑張る役もふたつやって、自分の成長を自分で管理しないといけないということです。

 

 

前回よりどのくらい品質が良くなっているか

(同じところで日本語が突っかかる...)

前回やってこいって言ったリプロダクションちゃんと出来ているか

(先生テーマ慣れないと2文はきついです)

毎日シャドーイングやってるのか?

(やばい、気づいたら3日空いてる...)

まさか毎日日経読まないなんてことはないだろうな?

(またマーケット情報まで行き着きませんでした先生...)

 

 

この評価する、評価される力関係が自分の中で崩れると、なんとなく自分の位置感がわからなくなります。つまり、自分がどのくらいサボっているのか、自分がどのくらい市場から落ちこぼれているのか、わからなくなる感覚です。

 

仕事に行ってその日の仕事がうまく行けば一件落着です。長期的に見て市場が求めるレベルと比較して今どのあたりにいるのかは、仕事中は考える暇がありません。

 

そんなこんなしていて、『あれ、前より出来ないかも』と気づけるレベルに下がってきたら、維持するには遅すぎるとおもってます。一旦レベルが下がるのは避けられません。これは以前の私個人の経験から感じたことなので人によっては違うかもしれません。『前より出来ないかも』は、すでに下降してからでないと気づけない、とおもってます。

通訳者M

一応毎日やることが決まっています

終わったものには蛍光ペンでサッサッ線を引いていきます

 

13項目ありますが、平均して7項目しか終わりません

 

不思議なことに、これで11個終わった日には不安になるのです

 

たとえ全部終わっても、バンザーイとならない不思議な自分がいます 

 

理由としてはたぶん、不安なんでしょうね

全項目終わったからって、通訳が上手くなるわけじゃありません

 

今日も全部終わらなかったー、と泣いてる方が健全なのです

 

会議通訳者は、独身が多いという話をつい先日あるベテラン通訳者と話していました。

 

わかってしまう気がします。

淡々、の先にある世界2

オムレツが食べたい!とどれだけ強く思っても、目の前に出てくるわけがないんですよね。

 

英語も同じなんです。

通訳も同じなんです。

たぶんなんでもそうなんだと思います。

 

うまくなりたい!とどれだけ強く思っても、うまくなるわけがないんです!

 

千里の道も一歩から、

ちりも積もれば山となる、

古来の日本人も分かっている論理なんですが、

こと自分のこととなると、思いだけどんどん強くなって、空回りします。

 

実際に英語力、通訳スキルを上げるには、多くのことをやらないことには、不可能です。しかも、ちまちましか上がりません。

 

 

 

なんて思ってたら、過去に自分がこんなことを言っていました。 

目は星を見上げつつ、足は地面をしっかり踏みしめて、、と稲盛和夫氏が言うように、目標値は高く、やるべきことをたんたんとひとつひとつクリアするのみ、ですね。

たんたんの先にある世界 - 通訳者Mのブログ

そうだよね。

そうだそうだ、淡々と、でしたね。

 

こうしていったん立ち止まった時に、振り返って『そうか、あのときはこう考えてたのか』と分かるのは、ほんと、ブログのありがたいところです。

それと同時に、『自分、成長してないな』がわかるのもブログのいいとこです。 

 

稲盛和夫さんが星を見上げつつ、足は地面をしっかり踏みしめて、、と思って進んできたのですから、私なぞはなおさら、です。

 

今日もがんばりましょう!

これから、ではなくて、いま、ここ

電車に乗っているとずっとまっすぐ走っているような気がします。

 

先頭車両の運転席の窓からのぞくと、線路はだいぶカーブしているし、駅に入るために結構坂になっていたりします。

 

 

ここで学んだのは、私たちは大抵その蛇行やアップダウンに気づかずに駅に到着するということです。

 

ここが坂だから頑張らなくては、ここは下りだからスピードをゆるめなくては、と考える必要はないのです。

 

 

山を登る時にも、木の根をまたいで、石の階段を登って、小川を渡って、しばらくまっすぐ進んで、気づくと次の景色が見えてきます。

 

『人生は美しい』と謳う人もいます。

振り返れば楽しかった思い出ばかりが思い起こされると。

 

振り返らずとも、

いま、ここ、を頑張ることで、良くも悪くも景色が見えてくるというのも、美しい話だと思います。

we are subject to what we've been through

1に3を加えたから4になって、

126から45をひいたから81になります

 

4だけを見て、81だけを見て、

なんでこっちは4でそっちは81なんだ!というのは間違っています

 

4になっただけの、81になっただけの原因があるのです

 

それは体調も、同じです。

現代の国際政治も、同じです。

人間関係も同じです。

仕事も同じです。

 

今見えている結果には、必ず原因があるんだなということ。

結果だけを見て一喜一憂するのではなく、良いことも悪いことも、原因を見つめると、現状が今以上によく見えるかもしれません

通訳業務と通訳学校のつながりは、本当に、深い

通訳学校で新しい教材に手をつける時、単語リストが配られるか、どんなトピックを扱うか、講師が教えてくれるはずです。

 

これは、仕事でも同じです。

何が出てくるか分からない通訳案件は、それほど多くないと思います。

通常は、スピーカーは誰で、オーディエンスは誰で、会議形態は何か、目的は何かが事前に分かります。単語リストはもらえません。が、上記のヒントで大体どのあたりをリサーチ及び勉強すればいいのか分かります。

これは一朝一夕にできるものではないと思います。

わたしが通訳学校入学して間もなく扱ったTPPの教材がありました。

今振り返っても笑ってしまうくらいしかリサーチしませんでした。TPP交渉参加国くらいしか調べなかったと記憶しています。。参加国だけ分かっていても良い通訳が出来るはずがありません。それぞれの国の貿易制度から、国内事情、場合によってはイスラム圏の場合ハラールといった宗教関連の制度も知らないといけないかもしれません。

リサーチするにも訓練や慣れがあると、実際に仕事をするにも楽だと思います。リサーチする範囲も、勘というのが働く気もします。そういう意味で、柵で覆われた環境である通訳学校はありがたいです。

 

 

通訳者はスピーカーの「代わり」になって話す仕事であることを考えると、スピーカーと同じ知識レベルに到達するのは不可能ですが、少なくともそのスピーカーが空気に感じているほどの当たり前の背景知識を頭に入れて、『武装』したうえで業務に当たれば、命拾いします。

 

 

とりあえず今のところの、通訳業務前に必ず使う情報源はこんな感じです

 

ー日経電子版:主要メディア電子版であればどこでも出来ると思いますが、キーワードを入れて横ぐし検索出来ます。『アラブ首長国連邦』であれば、ドバイ原油関連の投資情報から、国際、政治、そして最近ニュースになったサウジアラビア皇太子が落札したとされるダヴィンチのキリスト画まで。

 

ーThe Wall Street Journal:購読していると英語、日本語どちらでもニュースが読めます。上記と同様キーワード検索で、ニュースの日英表現が探せます。特に金融市場、経済関連の表現が勉強になります。市場に影響を与える国際政治のニュースも日英で読めるので、ありがたいです。

 

これまでサイトトランスレーションをする目的では、読売や朝日の社説で十分でした。オンラインで無料です。それほどたくさんサイトラは出来ないですしね。ただこれから金融、経済関連のテーマは逃れられないと思ったので、The Wall Street Journalで日本語、英語で情報収集と勉強です。

 

The Wall Street Journalではカバー出来ない日本コテコテの英語ニュースはJapan News購読で解決しています。The Wall Street Journalではカバーできない、例えばJA全中とか、自衛隊防衛省関連、与野党の動きから税制改正などなど。これを英語で読めるのは本当にありがたい話です。

 

ーWikipidia:信憑性が怪しい記事もありますが、基礎情報を知るのに重宝しています。

 

Google Earthの3D:国の位置関係が手に取るようによく分かります。2DのGoogle Mapではなくて3DのEarthなところがいいんですよね。北朝鮮、韓国くらいなら肌感覚で『あのあたりで、どの辺が境界線、中国が隣国で』と分かりますが、例えばオマーン、ドバイ。米国のウィスコンシン州と、カナダのオンタリオ州の位置感。

 

ーあとは必要とあらば本屋に走ります。今更そのネタ、基本から誰か教えて!という時は、池上彰さんに限ります。

 

 

 

習うより慣れろ、と言いますが、言いえて妙です。

通訳市場に一度出たら、どこまでリサーチしたらいいのか、誰も教えてくれません。 

通訳学校にいる間に、その疑似体験をたくさんして勘所をつかんでおくべし、です

チャンスは全員に与えられている

一度、『ぎりぎりセーフ!』だったことは、次はセーフ!にならないと相場は決まっています。

 

 

 

いつかの授業でthe top three ministersという言葉と、それが意味しているのは誰なのか教わりました。

 

 

 

ついこの前、通訳をチェックされていて、

 

『the top three ministersとおっしゃったけど、政務三役は誰だか理解してらっしゃるの?誰?政務三役って?』

 

記憶の端にある記憶をたぐり寄せてどうにか正解しました。

 

もう次はないな、と思いました。

分からないものに出くわしたら片っ端から最低でも、理解して、英語表現に目を走らせるくらいはしないといけない、と。少しでも自分の脳と目が正解と出会っていれば、すれ違った時に『あ!この前のアナタ!』と認識出来て、命拾いします。

 

 

そうはいっても通訳者はGoogleじゃないので、分からないことが出てきても仕方がないとは思います。ただ、一度自分の目の前に来たら、要チェックです。次にまた会う確率大です。神様が教えてくれているのです。そこを間違えたら、アウトなのです。